デイヴィッド・アジャイ氏は、今世界でもっとも注目を集める若手建築家のひとりです。タンザニア生まれのアジャイ氏の作品には、祖国アフリカの多様な文化風土や美術をはじめ、現代アートや音楽、留学先の日本で学んだ茶室建築にいたるまで、実に多方面からの影響が反映されています。 アジャイ氏の建築の特徴は、素材と色彩の大胆な組み合わせと光の操作によって、シークエンスごとに移り変わる多様な空間体験を生み出している点にあります。それは、日々変化する生きた都市の状況を建築体験として表現することであり、氏がこれまで経験してきたきたさまざまな光――アフリカ大陸の強烈な直射光、イギリスの淡い日射し、日本建築から学んだ陰影の美など――から導かれた、彼自身の体験にも基づくものと言えるでしょう。 本展覧会「OUTPUT」では、「光と都市」をテーマに、アジャイ氏の建築活動を紹介します。アジャイ・アソシエイツ開設10年目に開かれる本展は、日本でアジャイ氏を紹介する初の展覧会となります。初期の代表作から最新プロジェクトまで氏の主要な作品を網羅し、建築模型、図面、実作の写真が一堂に集められます。デイヴィッド・アジャイ氏の現在の到達点を紹介(OUTPUT)するとともに、今後の方向性も示唆してくれるものとなるでしょう。
3D: 建築
2010-07-08 - 2010-09-18
無料
マイケル・ケンナは1953年イギリス北西部の工業地帯に生まれ、ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティングで写真技術を習得した後、77年にアメリカへ移住し、以来アメリカを拠点に写真家として活動を精力的に続けています。ハッセルブラッドの中判カメラを使用し、夜や夜明けに長時間に及ぶ露光により作り出された風景写真は、そこに流れている時間の流れや空気感までもが写りこみ、その神秘的な風景は鑑賞者を異次元の世界へ誘います。ケンナ独自の美意識と卓越したプリント・テクニックによって、まるで絵画のように仕立てられた作品は、わずか20センチ四方の小さな画面の中に、緊密で静寂な空気が漂い、クラシカルでロマンティックな叙情に満ちています。それは、風景写真であると同時にケンナの心象風景であり、そこには自分の美意識を圧倒的に貫くケンナの姿勢が伺えます。本展ではマイケル・ケンナの新作「Venice」と「New York City」、「Mont St. Michel」の3シリーズを展示します。また会期中、サイン会を開催予定です。 [画像: Flying Bird over San Marco, Venice, Italy, (1990) (C) Michael Kenna/RAM]
2D: 写真その他: パーティー
2010-08-20 - 2010-09-26
画家の大関千恵、映像作家の吉村由美によるアートユニット[daikichi] の記念すべき1回目のエキシビジョン。映像、絵画を含むインスタレーションを展示。 lottery - [名] 1 くじ, 抽選. 2 運命, 巡り合わせ. *オープニングレセプションにお越し下さる方は、お名刺をご持参の上、ご来場くださいますようお願い申し上げます。お持ちでない方は、当日芳名帳に氏名・メールアドレス等ご記入お願い致します。 ご記入頂きましたお客様の個人情報は、 展覧会の告知としてのみ利用させて頂きます。
3D: インスタレーションスクリーン: ビデオ・インスタレーションその他: パーティー
2010-09-03 - 2010-09-09
無料
足立喜一朗は1979年大阪生まれ。東京で活動する気鋭の作家です。2007年のグループ展『Space for your future』に出展された電話ボックス型のディスコ「e.e.no.24」では、一躍衆目の的となりました。初期に行っていたゲリライベントや、近作のエコやロハスの矛盾をテーマにした「シャングリラ」など様々なシリーズを発表していますが、いずれも現代社会を独自の視点で捉えた、時にシニカルな思考・コンセプトを背景にした表現が一貫しています。今回発表されるのは、大型の円錐形の立体が組み合わされてその表面がミラーボールのように光を乱反射させる作品です。「SOAP」とは、それぞれ「Symbol Of Absolute Power」(絶対的な力の象徴)と、「Silence or Absent Party」(静寂、あるいは誰もいない宴)を意味します。この2種類の「SOAP」の新作がナディッフの1階と地下ギャラリーとに展示されます。今回の個展にあわせて、足立喜一朗の作品をまとめたカタログの記念すべき第一号「WORKS: 2004-2010」(250部限定)が出版されます。どうぞお楽しみに。 [画像: 足立喜一朗 "Grandcross"(2010年)]
3D: インスタレーションその他: パーティー
2010-08-28 - 2010-09-26
無料
日本を代表する写真家の1人・植田正治(1913 - 2000)は、戦前から故郷の鳥取県で作品を発表し、特に1950年代の「砂丘シリーズ」「童暦シリーズ」において、独特の創造世界を確立しました。モノクロの世界に繰りひろげられる、卓越した構図とモダンな感覚の調和したスタイルは、現在のヨーロッパでも、「ueda-cho」(植田調)という言葉が通用するほどの評価を得ています。2007年にはスイス、フランス、スペインで巡回展が開催されました。 一方、浜口陽三(1909-2000)は1950年代、パリでカラーメゾチント技法を完成させ、光を含んだ柔らかな深い闇と瞑想的な静物の表現に行き着きます。静謐な作風は、他の追随を許さず、世界的なコンクールで受賞暦を重ねて今なお20世紀を代表する世界的な版画家として知られています。 銅版画と写真は、制作方法のまったく異なる表現手段です。気の遠くなるような時間をかけて金属を刻んでゆく、手仕事に近い浜口の銅版画と、世界を己の観念に引き寄せて一瞬を捉え、プリントの工程において作品性を打ち出してゆく植田の写真。二人の探究心は終生とどまることがありませんでした。それぞれの分野において20世紀を先導してきた巨匠たちの作品を併せてお楽しみ下さい。夏の日のひととき、軽やかに心の旅に出てみませんか? [画像:「砂丘モード」より 植田正治 1983 ゼラチンシルバープリント ©Shoji Ueda Office]
2D: 写真2D: 版画
2010-07-03 - 2010-09-26
大人:600円、大学生・高校生:400円、中学生・小学生:200円
本展では東京都写真美術館の2万5千点余におよぶコレクションから選りすぐられた作品を基に構成し、ポートレイトのなかでも主にヌード写真を取り上げます。ヌード写真には、写されている人間を「個人」として写しているものから、オブジェなどと同じように、美しい曲線を持つ物体として捉えているものまで、多様な作品が存在しています。ヌードの表現も他の写真表現と同じように、19世紀のピクトリアリズムの時代には、古典絵画を手本とした構図のヌード、そして20世紀に入ると写真本来の機能を生かしたようなモダニズム的なヌードと、表現の方向性が時代によって変化しています。そして被写体もモデルやダンサーなどから、恋人、家族から自分自身を捉えたものなど、対象も広がっていきます。社会や風俗、思想と様々な分野と絡み合う表現を取り上げ、その表現の違いから、それぞれの時代の人々を表象するポートレイト。単なるポートレイトではなく、敢えて服を脱いだ人を撮影することで、写真家達は、どのようにそれぞれ時代を捉えようとしたのでしょうか。これらの表現を通して、その時代の社会が持つ問題や意識の相違などが浮かび上がってくることでしょう。 トークイベントも開催します。詳しくはHPご覧下さい。 [画像: 「ストーリーヴィル、ニューオリンズの赤線地帯」 E・J・ベロック (1912年)]
2D: 写真その他: トーク・イベント
2010-07-31 - 2010-10-03
一般 500円、学生 400円、中高生・65歳以上 250円
この度、エモン・フォトギャラリーは8月17日より写真家、尾仲浩二氏による「馬とサボテン」を開催する運びとなりました。作品「馬とサボテン」で、これまでの横位置のフレームスタイルから一転してダイナミックなパノラマ写真に挑戦し、パノラマの風景写真の概念をくつがえすような縦位置の大胆な構図は、氏の新境地として特徴づけられました。本展では、2007年に発表された同シリーズから未発表作品を含めた新たなサイズで展示致します。『馬とサボテン』は今年のフランスのアルル・フォトフェスティバルにも展示され、近年ヨーロッパをはじめ海外でも注目が高まっています。尾仲浩二氏の捉えたメキシコを是非ご高覧下さい。
2D: 写真その他: パーティー
2010-08-17 - 2010-09-10
無料
2009年、G/P galleryにて開催した展覧会『Hackney Flowers』も記憶に新しい写真家Stephen Gillが2008- 2009年の間日本を訪れて制作した最新作品をまとめた写真集『Coming up for Air』がNobody Booksから発売されます。G/P galleryでは発売を記念して、特別展『Coming up for Air』を8月20日(金)より開催いたします。プリントの他、ポスター、プリント付きスペシャル写真集などの販売を予定しています。 [画像:Copyright © 2010 G/P and G/P's Artists All Rights Reserved.]
2D: 写真
2010-08-20 - 2010-09-26
無料
オノデラユキ(1962 生まれ)はパリを拠点に、世界的な活動を続ける写真家です。独学で写真技術を身につけ、1991 年第1回写真新世紀展優秀賞を受賞、写真家として頭角を現しました。イメージを重ねた幻視的な作品で「謎めいていることは貴重である」と評価され、その作品の本質は1993 年パリに拠点を移すことにより更に力強く磨かれていきました。そして創意溢れるシリーズを次々と発表、2003 年、写真集『カメラキメラ』で第28 回木村伊兵衛賞を受賞し、さらに2006 年にはフランスにおける最も権威ある写真賞「ニエプス賞」を受賞しました。オノデラの作品は、「写真」という一般的概念に収まりきれないところに、その魅力と特質があります。それは写真表現の可能性に果敢に挑戦してゆくオノデラの尽きない探求心に支えられています。ある時はカメラに細工を施し、ある時はコラージュによって、ある時は思わぬアングルから被写体をとらえ、コンピューターを使用したり手彩色を施したりと、シャッターを押すまでに行われる作り込みは、まさに造形作家の作業です。それらを一度カメラという機械を通して1 枚の画面に封じ込め、最終的に自らの手で現像し写真作品として完成させるのです。オノデラの作品は、日常の風景を捉えながらも、私たちの固定観念を覆すような視覚世界を体験させてくれます。そして、独自のユーモアと都会的なセンスで巧みに観る者を惹きつけながら、私たちを写真の迷宮へ誘うでしょう。本展ではオノデラユキの初期代表作に東京都写真美術館新収蔵作品「Transvest」、「12speed」を加えた9 シリーズ約60 点で展観いたします。
2D: 写真
2010-07-27 - 2010-09-26
一般 700円、学生 600円、中高生・65歳以上 400円
シュウゴアーツではジュン・ヤンの日本での初個展 “忘却と記憶についての短い物語” を開催いたします。ジュン・ヤンは1975年中華人民共和国生まれ。1979年に家族とともにオーストリアへ移住。現在はウィーン、台北、横浜を拠点に活動しています。2005年ヴェネチア・ビエンナーレ、2006年リバプール・ビエンナーレ、そして2009年ソウルでの“プラットフォーム イン キムサ”などでも国際的に非常に高い評価を得ています。 今回の個展では映像作品「忘却と記憶についての短い物語」を中心に展示いたします。本作品は一人の男性が夜の台北市街を見つめながら“記憶の植えつけ(implanted memory)”について思いをめぐらせているところから始まります。“記憶の植えつけ”とは心理学において、実際とは違う記憶をあたかもその出来事があったかのように他人の記憶に植えつけることを意味します。他人から聞いた体験をあたかも自分が体験したと記憶してしまうこと、そして人はその記憶に能動的に細部を付け足すことによってより強固なものへと作り変えます。 中国大陸から人々が移住してきたそのときに、その島の歴史は4百年から5千年へと変わったと彼は語ります。個人の記憶は理想や願望によって補われ、やがて集団の記憶は都市の姿をも変えていきます。ジュン・ヤンが見せてくれるのは自分の体験から導きだした、個人と世界の関わりに新たな理解を見出すことなのです。本展では映像作品のほかにネオンを使用したインスタレーションなどを展示しております。 [画像:ジュン・ヤン「忘却と記憶についての短い物語」(2007)Super 16mm film on HDTV, Stereo, 20min.(still)]
スクリーン: ビデオ・インスタレーション
2010-07-24 - 2010-09-11
無料
2008年12月に開催した「ハウス」以来のギャラリー小柳での個展となる本展では、束芋がここ3,4年をかけて大事に温めてきたアイデアを結集したアーティストブック、『惡人』の完成を祝し、ひとつの柱として展覧いたします。朝日新聞紙上で2006年に連載が開始された吉田修一著『悪人』の挿画全250話分をまとめた本作品は、小説『悪人』に喚起されて束芋が編み出したもうひとつの世界です。絵巻物のような原画とはまた違い、立体的かつ素材感の生々しいアプローチによって視覚を刺激する宝箱を、どうぞこの機会にご高覧ください。 また、この度束芋は2011年6月より開催される第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ美術展の日本館出展作家として、植松由佳コミッショナー(国立国際美術館)の下、参加する運びとなりました。この参加決定を記念し、本展は束芋作品すべてに通底するといってよい〈手〉の感触、〈手〉への執着という、作家にとって不可避のモチーフに焦点をあて、束芋作品の核とも呼べる世界を皆様へご紹介いたします。来年のヴェネツィア・ビエンナーレでは、束芋作品がここからどのように広がり、またどう変化していくのか、その行方をご期待ください。
2D: デッサンその他: パーティー
2010-08-05 - 2010-09-11
無料
冬から春へ、夏から秋へと季節が巡ることを、私たちは気温や風景だけでなく、例えば風の匂いや太陽の光などから感じます。現在の日本では、国土の数パーセントの都市部に人口の三分の二以上が住んでいると言われていますが、それでもなお私たちの身体は自然の存在を感じています。温帯性の気候や島国の複雑な地形によって、我が国では独自の自然環境が育まれ、それは古来の宇宙観や宗教観とも繋がって、この国で生まれる文化や芸術に少なからぬ影響を与えてきました。「ネイチャー・センス展:吉岡徳仁、篠田太郎、栗林 隆」では、都市化、近代化の進んだ現代生活において、自然を知覚する潜在的な力(ネイチャー・センス)や日本の自然観について考え、それが現代の美術やデザインにどのように活かされているのかを問いかけます。国際的に活躍する吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆の3人のアーティスト/デザイナーは、しばしば雪、水、風、光、星、山、滝、森といった自然現象や非物質的あるいは不定形の存在を捉え、それらを作品に抽象的かつ象徴的に投影しています。彼らの自然観が人為と対抗する自然としてのネイチャーよりも、むしろ人間を含む森羅万象、天地万物というユニバース、コスモロジー(宇宙観)に近いことは、そのような自然観が現代の私たちの記憶や遺伝子に脈々と継承されていることを示唆します。3人の新作を中心に構成される本展では、作品や空間を体感するスケール感のあるインスタレーションによって、私たちのネイチャー・センスの覚醒を試みます。 [画像:栗林 隆「新作のためのドローイング」(2010年)]
3D: インスタレーション
2010-07-24 - 2010-11-07
一般 1500円、大・高生 1000円、子供(4歳−中学生)500円
鮮やかな色彩と幻想的な作風で親しまれるシャガール(1887-1985)。旧ロシア帝国のヴィテブスク(現ベラルーシ共和国)にユダヤ人として生まれましたが、1900年代初頭に始まるロシア・アヴァンギャルドの歴史と密接な関係があったことはあまり知られていません。 本展は、ジョルジュ・ポンピドー国立芸術文化センターが誇るシャガールの代表作でシャガールの人生を追いながら、ロシア美術史にシャガールを位置づけようとするものです。シャガール自身と故国ロシア、彼の世界観、家族、想像の世界とのつながりを検証し、20世紀の巨匠シャガールへの理解を深めることを意図しています。 パリのポンピドー・センターが所蔵するシャガール作品は、シャガールが手元に残していた特別な作品を死後に遺族が寄贈したものや、生前作家本人が寄贈した代表作が中心となっています。いわば「シャガールのシャガール」ともいえる充実したコレクションであり、初期にサンクト・ペテルブルグで制作された作品から南仏で制作された晩年の大作まで、この巨匠の生涯にわたる軌跡をたどることができます。さらに同センターは、ソヴィエト連邦からロシア・アヴァンギャルドの巨匠ナターリヤ・ゴンチャローワとミハイル・ラリオーノフの傑出したコレクションの寄贈を受けています。 本展では、ロシアをテーマにしたシャガールの名作《ロシアとロバとその他のものに》をはじめとするシャガールの代表的な作品を選りすぐって紹介します。また、日本ではまだあまり知られていないゴンチャローワとラリオーノフの重要な作品を日本で初公開します。同時代に活躍したマレーヴィチ、プーニー、カンディンスキーらロシア出身の巨匠たちもあわせて紹介します。 シャガールは生前「私がロシアで描いた絵画が、ヨーロッパの画家の作品の隣に展示されるのは奇妙なことでしょう。私の作品は、むしろ20世紀初頭のロシア美術のための美術館に展示されるべきものなのです」と話していますが、本展は、まさに本人が望んでいたとおり、シャガールをロシア・アヴァンギャルドの作家の傍らで紹介する、きわめて野心的な内容となっています。
2D: 絵画
2010-07-03 - 2010-10-11
一般 1500円、学生 1000円、中学生以下は無料
名作『フランダースの犬』の舞台として知られるベルギー北部の都市アントワープは、古くから商業・金融の地として、また、さまざまな文化・芸術の交流の場として発展してきました。近年、アントワープはファッションの中心地としても知られ、最先端のカルチャーシーンを牽引する都市のひとつです。 本展は、アントワープ王立美術館の所蔵する14世紀から20世紀にわたる幅広く膨大なコレクションの中で、質量ともに充実した19世紀末から20世紀中頃までのベルギー絵画を紹介するものです。ベルギー近代絵画の3大巨匠とも呼ばれるルネ・マグリット、ポール・デルヴォー、ジェームズ・アンソールをはじめレオン・スピリアールト、フェルナン・クノップフなどの象徴派、フランドル表現主義、シュルレアリスムなどの39作家、計70作品によって、ベルギー近代美術の流れをたどります。そのうち63点が日本初公開です。マグリットの名品《9月16日》も特別出品されます。幻想と現実の交差するベルギー美術の魅力を存分にお楽しみください。
2D: 絵画
2010-07-28 - 2010-10-03
一般 1,000円、大学・高校生 800円、中学・小学生 600円、未就学児無料
資生堂ギャラリーは、2010年8月24日(火)から10月17日(日)まで「石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」を開催いたします。 昨年、開廊90周年を迎えた資生堂ギャラリーでは、1919年の創設当時から、絵画、彫刻だけでなく、写真、工芸、デザインなど様々な分野の展覧会を行ってきました。なかでも、建築に関わる展覧会は数多く開催しており、1922年には大船田園都市住宅展、1925年には建築家・山口文象が主宰する創宇社の建築制作展を開催するなど、近代建築史からみて重要なものも少なくありません。また、資生堂の社屋や店舗は創業当時より、辰野金吾、前田健二郎、谷口吉郎、谷口吉生など、日本を代表する建築家たちの設計によって建てられてきました。 1993年には「銀座モダンと都市意匠」展を開催し、銀座の建物の設計や装飾を手がけた建築家、あるいは銀座を舞台に新しい建築思想を発信した建築家をとりあげ、都市と建築について探究しました。本展は「銀座モダンと都市意匠」展以来、資生堂ギャラリーで17年ぶりの建築展となります。 石上純也は、2009年に日本建築学会賞を受賞。ヴェネチア・ビエンナーレ建築展には2008年に日本館、2010年にグループ展と2回連続での参加が決まるなど、国内外で活躍し、現在最も注目されている気鋭の建築家です。「私たちがまだ知らない世界を切り開くひとつの手段として建築があるのではないか」と考える石上は、既成概念にとらわれない自由な発想で建築の新しい可能性を追い求めています。 現在、石上はロンドンに本拠を置く美術系の出版社、テームズ・アンド・ハドソン(Thames & Hudson)から、2011年に出版予定の本を制作中です。この本は単なる作品集ではなく、石上純也の建築に対する考えを示すものです。これまでのものから未発表の新たなものまで、約100のプロジェクトが掲載される予定です。 展覧会では、そのなかから主要なもの約60を選び、模型を主体とした展示を展開します。展示予定のプロジェクトは、指先ほどの器の内部を空間としてとらえ、小さな草花をその小さな壁に展示する「little gardens」、スコットランドの古い美術館をとりまく巨大な庭を新たな環境に計画しなおすことで美術館そのものを再生する「landscape for the old museum」、大きな草原や山など、本来都市を取り囲む自然環境を建物で取り囲むことで生まれる中庭のような空間、それを街の環境としてとらえなおすことで、自然環境のスケールと都市のスケールを等価にとらえていく「big patio」など。それらのプロジェクトは、実際のものとその延長で生まれたものとの間に明確な区別はなく、等価に思考された結果としてあらわれたもので、その背景には常に、建築のカテゴリーを超えた専門家へのリサーチ、それをもとに行う物理計算・論理展開などの具体的な試行がともなっています。そして、それらはどれも石上が追求している建築の可能性の一端を担っているのです。 世界の状況を瞬時に知ることができ、人々の意識の範囲が広がっている現在、従来の価値観やスケール感を超えた建築が必要と石上は考えます。展覧会タイトルの「建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」には、「惑星と建築、素粒子と建築、建築以外のすべてのものと建築、たとえば、そういうスケールの広がりをもって建築の可能性を考えていきたい」という石上の確信と期待が込められています。 建築家として、着実に現在から未来へと向かっている石上純也の世界をぜひお楽しみください。 ギャラリートークも開催します。詳しくはHPご覧下さい。
3D: 建築その他: トーク・イベント
2010-08-24 - 2010-10-17
無料
幅広い芸術活動でその名を世界中に知られるマン・レイ(1890-1976)。 マン・レイの遺族が設立、全作品の著作権を所有するマン・レイ財団所蔵の写真、絵画、彫刻、デッサンおよびマン・レイ自身の所持品を一堂に集めて、 2007年から欧州を巡回している展覧会が、この度初めて日本で紹介されることになりました。 「写真家」としてのイメージが強いマン・レイですが、今回は写真はもとより絵画、オブジェなど多岐に渡る分野で活躍した「アーティスト」、そして新しい技法やスタイルを編み出した「モダンアートの先駆者」としてのマン・レイに光を当て、その知られざる足跡を発見する旅へと皆様をご案内いたします。本展監修者であるジョン・ジェイコブ氏と福のり子氏は4年の歳月をかけてコレクションの全貌を調査しました。その結果、日本展だけに出品される作品70 点を含む約400点が紹介される運びとなりました。 展覧会はマン・レイの生涯を「ニューヨーク(1890-1921)」、「パリ(1921-1940)」、「ロサンゼルス(1940-1951)」、「パリ(1951-1976)」の四つに区切り、時代にそってマン・レイの作品と、その発想源となったモノやイメージを対置させます。 財団にある豊富な資料の数々は、マン・レイが一つのモティーフを、スケッチから完成作品へとどのように変化させてきたか、あるいは彼が絵画やグラフィック作品に度々写真をベースにしたことなど多くの事実を物語ってくれるでしょう。 これまで一般公開されたことのない作品に加え、スケッチやデッサン、私的な資料に至るまで貴重な関連資料も多数含まれる本展は、マン・レイの広範で意欲的な創造活動、思考回路、そして歴史を追体験しながら、その作品と人生をより深く理解するまたとない機会といえます。 [画像:マン・レイ 「セルフ・ポートレイト」(1924,プリント年不詳) ゼラチン・シルバー・プリント Courtesy of Man Ray Trust]
2D: 絵画2D: 写真3D: 彫刻・立体
2010-07-14 - 2010-09-13
一般 1500円、大学生 1200円、高校生 800円、中学生以下無料
近年私たちの日常生活では、防犯や、より快適な暮らしを楽しむために、個人を特定する技術や方法が急速に開発され、様々な場面で応用されています。それは言い換えると、例えば指紋や静脈といった人の「属性」が、自分自身から切り離されて一人歩きする社会が、身近に迫っていると言えるのではないでしょうか。 展覧会ディレクターの佐藤雅彦は、NHK 教育番組「ピタゴラスイッチ」やアート作品「計算の庭」に代表されるように、複雑な概念も新しい表現方法によって本質をシンプルに浮かび上がらせ、親しみやすい形に昇華させてきました。 本展では、「自分」を形づくる要素を探る、インタラクティブな映像や最先端のテクノロジーを駆使した新作を中心に紹介します。国内外の作家による芸術表現と科学技術が交差する体験型の作品の数々を通して、自分自身の認めざるをえない「属性」を発見する機会をつくります。 デザインやものづくりの前提として当然存在するように思われている「自分らしさ」や「個性」について、来場者とともに新たな視点を思索していきます。
3D: インスタレーションスクリーン: ビデオ・インスタレーションその他: トーク・イベント
2010-07-16 - 2010-11-03
一般¥1000、大学生¥800、中高生¥500、小学生以下無料
2010年6月にリニューアルオープンした写真歴史博物館のリニューアル第1弾企画展として、20世紀白黒写真(銀塩)の巨匠アンセル・アダムスによって制作された、オリジナルプリントの美の世界。 アンセル・アダムスは、世界各国の著名な美術館においてその写真作品が収蔵されている20世紀の巨匠です。エドワード・ウエストンやイモージン・カニンガムらとともに、グループf/64を結成し、ストレートな写真を提唱しました。ゾーンシステムに基づいた撮影とプリント(引き伸ばし)によって制作された作品は、自然風景をはじめとして、ポートレートや建築物など多岐にわたりますが、作品を通して対象の本質を引き出した彼の作品は、写真作品の美的な価値を社会的に高めることに貢献しました。アンセル・アダムスは写真家として活躍する一方で、アメリカ合衆国に本部を置く自然保護団体である、シエラ・クラブの理事を長年務め、自然環境の保護に積極的に取り組みました。そして、ニューヨーク近代美術館の写真部門創設や、アリゾナ州ツーソンのセンター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィーの創立に尽力しました。 今回展示される「Portfolio IV」は、アンセル・アダムス自身のセレクションによる、オリジナル プリントの写真作品15点を収録した、大変希少価値の高い作品集で、富士フイルムが収蔵するコレクションの一つです。この作品集は、アンセル・アダムスと同じくシエラ・クラブの一員であり、真空管「クライストロン・チューブ」の開発者であるラッセル・バリアン氏を追悼して、バリアン・ファウンデーションの支援により1963年制作され、シエラ・クラブより出版されました。 20世紀の巨匠アンセル・アダムスが残した写真作品という遺産を通して、私たちにとって身近な存在である「写真」について考える機会となれば幸いです。 会場 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 1F 写真歴史博物館 [画像:Ansel Adams 「Oak Tree,Sunset City, Sierra Foothills, California」 (1962)Photograph ©2010 The Ansel Adams Publishing Rights Trust]
2D: 写真
2010-06-01 - 2010-09-30
無料
今、建築は次のステージに行こうとしています。これまでは住宅や商業/公共施設といった実用性や機能性を第一にした建物造りが全てでした。しかし近年、建築家、とりわけ若き日本の建築家たちはそれぞれの未来を夢見て、新しいスペースや環境の提案を初めています。この展覧会は、現在最も注目を集める建築家藤本壮介を軸に、「建築と東京の未来」というテーマについて多くの方々を交え一緒に考えて行こうというものです。
3D: 建築その他: トーク・イベント
2010-08-14 - 2010-11-28
一般1000円、学生800円